私がこの活動を始めて間もないころ、1組のご家族と出会いました。
14歳の少年が2021年、夏になる前にお空へと旅立ったこと、彼は岡山が好きなことをSNSを通じて知りました。
私は勇気を出してこのご家族に一つの提案をしました。
「彼が好きなもの好きな場所を、写真や動画に収めムービーを作っていきませんか?」
それは、彼の友人がまたワイワイと遊びに来ては泣いて笑って、これからの将来も彼と繋がりを持てるようなもの。
そして家族がそのムービーをどんな時に観ても「またあの場所に遊びに行こう!」とワクワクする様なものを作ろうと。
【福祉の撮影】を広く多くの人に説明するとき、少し誤解をされる部分があります。
「こどもの最期を撮影する尊い撮影なんでしょう?」と。
たしかにその一面はあります。
しかし我が子とのお別れをした家族とも、カメラを通じてこういった【交流の仕方】があってもいいのではと私は考えています。
グリーフケアという概念は人それぞれの捉え方があり、繊細な一面があります。
私は国立成育医療研究センター施設に隣接する「もみじの家」の創立者
喜谷昌代さんが持たれていたポリシー「真っ暗闇のトンネルの先に見える、たったひとつの明かりになれ」
その言葉を知った時、カメラマンとしてできることは「最期の瞬間」に限らず、「家族を照らす明かり」としてできる事はたくさんあるのではと考えるようになりました。
撮影日は、まだ幼い弟くんの友になり、たくさんお話をして笑って過ごしました。
出来上がったムービーは少し泣いちゃいかもだけど、みんながドカンと笑って観ることのできる
「笑い声が絶えない、その家族らしいムービー」に仕上がる予定です。